柏店管理栄養士の大本です。
「運動も頑張っているし、サプリも飲んでいる。それでもなぜか体の調子がイマイチ…」
そんな声をよく耳にします。もしかすると、その原因は「食事」にあるかもしれません。
2024年、国際連合食糧農業機関(FAO)と世界保健機関(WHO)は、健康的な食事に関する共同声明を発表しました。その中で、「健康的な食事」が持つ重要性や、それを実現するための4つの基本原則が示されました。
今回はこの国際的な提言をもとに、パーソナルトレーニングと“食”の関係についてお話しさせていただきます。
健康的な食事の4原則とは?
FAOとWHOが発表した健康的な食事の原則は、以下の4つです。
1. 適切(Adequate)
欠乏症を防ぎ、健康を促進するために必要な栄養素を、過剰にとることなく十分に摂取するよう考慮しましょう。
→体に必要な栄養素を、過不足なく摂取すること。年齢や性別、身体活動量に合わせてバランス良く摂ることが大切です。
2. バランス(Balanced)
健康的な体重、成長、疾病予防を推進するために、エネルギー摂取量、エネルギー産生栄養素(脂質、炭水化物、タンパク質)の摂取比率を考慮しましょう。
→三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)のエネルギーバランスは、成人では以下の比率が推奨されています。
-
たんぱく質:10〜15%
-
脂質:15〜30%
-
炭水化物:45〜75%
過剰な糖質制限や極端な脂質カットは、逆に体調不良の原因になることも。
3. 適度(Moderate)
健康に有害な影響を及ぼす食品、栄養素、その他の化合物の摂取を制限しましょう。
→塩分や砂糖、飽和脂肪酸・トランス脂肪酸など、摂りすぎが健康に悪影響を与える成分の量をコントロールすること。
-
食塩:1日5g未満(ナトリウム2g未満)
-
砂糖などの遊離糖類:総エネルギーの10%未満(できれば5%未満)
-
飽和脂肪酸:10%以下、トランス脂肪酸:1%以下
4. 多様(Diverse)
栄養素の適切さとその他の健康を推進する物質の摂取を促進するため、食品群内および食品群間で、栄養価の高い食品を幅広く含めていきましょう。
→栄養素をバランス良く摂るためには、できるだけ多様な食品を食べることがポイントです。
色とりどりの野菜(緑黄色野菜)さまざまなタンパク源(魚、肉、豆など)を意識しましょう!
「正しい食事」=「一つの正解」ではない!
健康的な食事には「唯一の正解」があるわけではありません。
文化や宗教、収入や生活環境などによって、人それぞれに合ったスタイルがあります。
大切なのは、上記4原則をベースにしながら、自分のライフスタイルにフィットした「食事パターン」を見つけていくことです。
食事も運動も、「続けられる」が正解
「筋肉は裏切らない」とよく言いますが、食事も同じです。
今日の食事が、未来のあなたの身体をつくります。
正しい知識と小さな習慣の積み重ねが、あなたの理想の身体をつくる第一歩となります。
ぜひ、運動とともに食事の在り方も見直してみませんか?
参考文献
・医薬基盤・健康・栄養研究所(2024)『健康的な食事とは? 国際連合食糧農業機関と世界保健機関による共同声明』日本語版
・FAO, WHO (2024) “Healthy Diets: Joint FAO/WHO Statement”