0.導入~骨盤って歪むの?~
整体や、通販番組などでよく使われる「骨盤の歪み」という表現🦴
こちらから連想される骨盤の状態としては、
骨盤の関節のレベルで骨がズレてしまっているような
イメージをされる方が多いのではないでしょうか?
そのため、いわゆる骨盤矯正といった施術で
骨をバキっと鳴らして元に戻さないといけない
といった誤解をされている方も多い印象です…
実は骨盤の関節は非常に強固な靭帯で結合されており、
ほとんど動きません!!
(※産後のみ、リラキシンというホルモンの作用で靭帯が緩んで動きやすくなります)

⇧青い部分が骨盤の関節を固定している靭帯です
多くの場合、骨盤の歪みというのは、骨盤の骨自体が歪んでいるのではなく、
「骨盤の空間的なねじれ」です!(骨盤の回旋)
そして、このねじれは多くの場合、
骨盤周囲の筋肉が[硬い or うまく働いていない]ことにより
生じているケースがほとんどです💪
そのため、硬い筋肉はストレッチ等を行い、
うまく働いていない(弱っている)筋肉をトレーニングしてあげることで
根本改善することができます💡
1.骨盤の回旋について
・ASIS(上前腸骨棘)という、骨盤の出っ張っている部分(下記画像参照)が
前に出ている方を前方回旋側、後ろに引っこんでいる方を後方回旋側といいます。
・骨盤が右回旋していると左のASISが前方に移動(=左が前方回旋側)し、
左に回旋していると右のASISが前方変位(=右が前方回旋側)します。
・緊張して短縮しやすい筋と、伸ばされて筋力低下しやすい筋が、
左右で異なることに注意しましょう。
2.筋のインバランス
・緊張して短縮しやすい筋肉群
前方回旋側
[内転筋群、内閉鎖筋、中・小殿筋、大腿筋膜張筋、大腿直筋、腸腰筋など]
後方回旋側
[大殿筋、ハムストリングスなど]
・伸ばされて筋力低下しやすい筋肉群
前方回旋側 [大殿筋、ハムストリングスなど]
後方回旋側 [内転筋群、内閉鎖筋、大腿筋膜張筋、中・小殿筋、大腿直筋、腸腰筋など]
※前方回旋側⇔後方回旋側の筋バランスは対になります。
3.運動連鎖
・前方回旋側では下肢が内旋傾向、後方回旋側では下肢が外旋傾向にあります。
・前方回旋側は回内足を伴うことが多く、
過去に捻挫の既往があると距骨が内旋・前方変位し、片側性の回内足になり、
上行性の運動連鎖で骨盤の回旋が引き起こされるケースもあります👀

4.症状
・スクワットをする際にどちらかに骨盤が偏ります(側方スウェイ)。
・片側だけランジやブルガリアンスクワットがしづらい
→前方回旋側に多い。
・片側性の腰痛が起こる
→前方回旋側に多い。腰椎分離症や腰方形筋がかたまることによる痛みなどがあります。
・骨盤前方回旋側の腰方形筋の短縮・牽引により、下位肋骨の外旋が起こります。
→下位肋骨の外旋から胸椎の回旋制限、肩甲骨の上方回旋制限の因子になります。
5.評価
・立位姿勢でASISを触ってみて、どちらが前方変位しているか、
指が引っ掛かりやすいかを調べてみましょう!
・骨盤を左右に回旋してどちらが回旋しやすいかチャックしてみましょう!
6.アプローチ
回旋をチェックし、2で記述した筋肉のインバランスをチェックしましょう!
そのうえで
緊張している筋肉に対して
→ストレッチやフォームローラーによるリリースなどを行う。
伸ばされて筋力低下しやすい筋肉群
→対象の筋肉を使いやすい単関節エクササイズを行う
両方にアプローチすることで骨盤の回旋差を取り除くことができます🦴
7.まとめ
普段の歩行や、スポーツ動作、トレーニング等で
動作の左右差がある場合や、効きが悪い・動かしづらい側があると
骨盤の回旋差
からきている可能性が高いです!!ぜひ、回旋側の評価と骨盤の回旋テストを試して、骨盤の回旋度合いと回旋方向をチェックしてみてください✨✨