>冷え性に最適な運動とは
冷え性でお悩みの方は、
「冷え性改善には運動をしましょう!」
というキャッチコピーを見たことがあると思います。
では、どのような運動がベストなのでしょうか?
●筋肉量を増やして血流のポンプ作用をアップさせる筋トレ?
●ラジオ体操のような全身を大きく使って血行を良くする運動?
●全力ダッシュ? 軽いジョギング?
一番どのような運動が良いのでしょうか?
この冬、ぜひ正しい知識をつけ、最適な運動で冷え性を撃退しましょう!
>そもそも冷え性とは
まず冷え性は、
・寒いわけではないが、手足が冷たい
・温めていても手足が冷える
・厚着してても冷える
・痩せにくい
という状態です。
西洋医学では病気として扱われているものではありません。
ですので、はっきりとした治療法が確立されていません。
冷え性は、気温に関係なく、真夏でも症状が出ます。
症状のタイプとして、末端が冷えるタイプ、下半身が冷えるタイプ、
内臓が冷えるタイプ、自律神経が乱れるタイプなどあります。
それぞれに対処法がありますが、
運動による、全てに共通する根本的な改善方法を、
以下、メカニズムと合わせて教えいたします!
>毛細血管と筋肉の関係
まず血液が末端まで運ばれるためには、筋肉の力ではなく、毛細血管の量に比例します。
筋肉自体は温度を上げるわけはないので、筋肉量が多いから暖かくて冷えないという訳ではありません。
またポンプ作用が強くなろうとも、毛細血管が少なければ、末端へ血液の道がないので
送ることもできません。
(*フンガーと力を入れようとも、血流量が増える訳ではありません)
毛細血管は、筋肉のタイプによって量が変わります。
筋肉のタイプは、速筋と遅筋があります。
速筋線維は、瞬発的に大きな力を出す特徴があり、無酸素運動で発揮します。
遅筋線維は、長時間に渡って力を発揮する特徴があり、有酸素運動で発揮します。
無酸素運動は、筋肉内のエネルギーを瞬間的に使うため、酸素・エネルギーの供給は緩やかで
構いません。そのため筋肉は太くなりやすいのですが、血流で栄養がすぐに必要という訳ではないので、
血管量が急激に発達することはありません。毛細血管の量は、比較的少なめな筋肉となります。
逆に遅筋線維は、長時間働ける筋肉で絶えず酸素と栄養の運搬を繰り返す必要があるため、トレーニングにより、毛細血管が発達し、増えます。(余談ですが、エネルギーを作り出すミトコンドリアも増えます)
そのため、遅筋を多く使うトレーニングをすると、それに比例して抹消の血管量も増えることが、ラットの実験によって明らかになっています。
遅筋を多く使うトレーニングは、ジョギングが一般的です。
週に3回30分程度を2週間以上続けていくことが必要です。
またエアロビクスは、より強度が高く、またテンポも速いため、血管の量を増やすのに良いと言われています。
しかし、それ以上に毛細血管を増やすのに良いのは、最大筋力の50%の重量で筋持久力をアップさせるトレーニングが有効です。
ラットを使った実験で負荷をかけて行なった時の方が血管の量が増えたという研究結果が出ています。(Suzuki,2001)
例えば、足が冷えやすいのであれば、スクワットを行います。最大筋力40kgを扱える場合、20kgでオールアウト(力を出し切る)まで行うことが、毛細血管が増えるのに、一番効果的となります。
ぜひ、冷え性にお悩みの方は、バーベルやダンベルを使って負荷をかけた
トレーニングを取り入れてみましょう!