皆様こんにちは。
パーソナルジムASPIの及川です。
骨粗鬆症は若ければ20代から発症し、70代の女性では国民の半数以上の方が患っている、加齢によって引き起こされる代表的な症状です。
そこで「骨を丈夫にするためにカルシウムをたくさん摂ろう!」とサプリメントなどを活用されている方も多いのではないでしょうか?
今回は「カルシウム」について少しだけ詳しくなっていただきながら、骨粗鬆症との関係性なども理解していただける内容になっています。ぜひ最後までお目通しくださいませ!
カルシウムの役割とは
特に重要な働きは以下の3つです。
- 筋肉を動かす(カルシウムがなければ心臓も止まってしまう)
- 細胞のシグナル伝達(血管の収縮と弛緩、ホルモン分泌の補助、脳と筋肉の間で行われる信号の橋渡しなど)
- 血液凝固(怪我などをしたとき、血液を固めて出血を抑える)
ここから分かるように、カルシウムは生命活動を維持していくために必要不可欠な役割を担っています。
カルシウムと関わる臓器たち
特に知っておきたいのは以下3つの臓器です。
- 腸 食物からカルシウムを吸収する
- 腎臓 余分なカルシウムを尿といっしょに排出する
- 骨 カルシウムを溜め込む貯蔵庫の働きをしている(体内の90%のカルシウムは骨に蓄えられる)
カルシウムは生命維持に重要な働きを担っているため、血中の濃度が厳密に一定になるように管理されています。
骨粗鬆症とカルシウム
骨粗鬆症とは骨の中身がスカスカになってしまう症状です。つまり、骨の中のカルシウムの在庫がなくなってしまった状態ということです。
では、カルシウムをたくさんとれば在庫が増え、骨も増えるのかというと話はそう単純ではありません。
繰り返しになってしまいますが、カルシウムの血中濃度は様々な臓器によって厳密に一定になるように管理されています。
つまり、カルシウムをたくさん取って血中濃度が高まると腎臓によって尿として体外にすぐさま排出されてしまうのです!
そのため血中のカルシウムの在庫数を増やすことは非常に難しく、これによって骨量を増やすことも容易ではなくなります。
骨粗鬆症を治す薬が発明されていないのは、この人体のシステムがあるためです。
カルシウムの摂り過ぎには注意
アメリカで39万人に対し、12年間の追跡調査をした研究では1日にサプリメントを活用し1000mg以上のカルシウムを接種した人たちで、心臓血管系の死亡率が2割高くなったという結果が出ています。
また、スウェーデンで6万人の女性に対し、19年間の追跡調査をした研究では、1日に1400mg以上のカルシウムをサプリメントで接種していた人たちは死亡リスクが5割高くなったという結果が出ています。
2つの研究が示すとおり、カルシウムの過剰摂取はむしろ健康を害する可能性があるため注意が必要です。
ちなみに、サプリメントを活用せず食事からのカルシウム接種のみを行っていた人たちではどちらの研究でも死亡率に悪影響は出ていません。
まとめ
厚生労働省が発表しているカルシウムの1日あたりの耐容上限量は2500mgです。
この耐容上限量とはこの数値を超えると健康被害のリスクが高くなっていく量のことです。つまり健康維持のための量ではなく、できるだけこの数値には近づかないようにする意識を持つことが大切です。
同じく厚生労働省が発表している1日あたり推奨摂取量は成人男性で700mg〜800mg、成人女性で650mgと設定されています。
加えて、カルシウムが足りていても、ビタミンDが不足していたり、運動不足で骨に刺激が入らないような生活をしていると吸収効率は悪くなってしまいます。
結局健康な体を手に入れるには、良い食事と適切な運動が欠かせないということですね!