巻き肩とは?チェックする方法や原因、身体への影響、改善する方法などを解説

2025.07.14

巻き肩はデスクワークやスマートフォンの操作などが原因で起こる身体の不良姿勢です。

巻き肩を放置すると頭痛や腰痛などを招きますが、日常の意識を改善したり、ストレッチや筋トレを続けたりすることで、改善する可能性があります。

そのため、巻き肩で悩んでいる方は、原因や改善する方法を知っておきましょう。

この記事では、巻き肩をセルフチェックする方法や巻き肩になる原因、身体への影響、改善する方法などを解説します。

 

 

巻き肩とは?

巻き肩とは、肩が本来の位置よりも前方に突き出し、内側へと巻き込まれるように傾いた姿勢を指します。

本来の肩は、肩甲骨の「関節窩(かんせつか)」と呼ばれるくぼみに上腕骨の先端がはまり込むことで、肩関節が形成される構造です。筋肉や靭帯によって支えられており、肩甲骨や上腕骨は互いに連動します。

しかし、巻き肩になると肩甲骨が背骨から外側にずれてしまい、肩の位置が前に出て肩関節が内側へねじれたような状態になります。

姿勢の歪みは見た目だけでなく、肩こりや頭痛など身体への悪影響を引き起こす要因となる可能性があります。

 

巻き肩と猫背の違い

巻き肩と猫背は似たような姿勢の崩れに見えますが、実は異なる状態を指します。

巻き肩は、背筋がある程度伸びていても、肩が前方かつ内側に巻き込まれている状態です。

一方、猫背は背骨自体が丸まり、胸が沈んで頭が前に出るなど、全体的に上半身が前屈した姿勢をとります。

つまり、巻き肩は「肩の位置の異常」、猫背は「背骨のカーブの異常」がおもな特徴です。

厳密に分類すれば違う状態ですが、巻き肩が続くと背中が引っ張られて猫背になったり、猫背が肩甲骨の位置をずらして巻き肩を招いたりと、相互に影響し合うケースが少なくありません。

そのため、巻き肩を改善したい場合でも、肩と背中の両方の状態を意識しましょう。

 

 

巻き肩かチェックする方法

巻き肩かどうかを正確に判断するには、整形外科などの専門機関で診察を受けましょう。その診断結果を元に、身体について正しい知識を持ったパーソナルトレーナーや理学療法士などに、施術やトレーニング指導をしてもらうことが理想的です。

ただし、忙しくて通院が難しい場合は、自宅で次のようなセルフチェックを試してみましょう。

やり方 確認するポイント
バンザイチェック 壁に背中とお尻、踵を付けて立ち、両手を上げる(両手を上げたときに腰が反らないように注意) 上げたときに、耳の後ろに腕がこない、肘が曲がる場合は巻き肩の可能性がある
鏡の前でチェックする 両手を下ろして鏡の正面に立つ 立った際に手の甲が正面を向いていると、巻き肩の可能性がある
歩き方をチェックする 真っすぐ歩いてみる 歩いているときに腕が後ろに振れていない、胸が自然に張れていない場合は巻き肩の可能性がある

 

上記のセルフチェックでは、肩甲骨周辺の筋肉に緊張や歪みが生じているかを確認します。当てはまる場合は巻き肩の可能性があるため、姿勢改善を意識しましょう。

 

 

巻き肩の原因

巻き肩の原因は、おもに以下のとおりです。

● デスクワーク
● スマートフォンの操作
● 背中を丸める姿勢

 

それぞれ順番に解説します。

 

デスクワーク

巻き肩の原因としてよくあげられるのが、長時間にわたるデスクワークです。

パソコン作業では、腕を前に出して首を前傾させた姿勢が習慣化しやすく、自然と肩が前方へ引っ張られます。長時間続くと肩甲骨が外側に開き、肩が内側に巻き込まれる「巻き肩」になりやすいです。

また、デスクワークは巻き肩だけでなく、首や背中の筋肉にも不自然な負荷がかかりやすいため注意しましょう。

 

スマートフォンの操作

スマートフォンの長時間使用は、巻き肩になる大きな原因のひとつです。

多くの方はスマートフォンを操作する際に、無意識に顔を画面に近づけるため、首を前に突き出し、肩を丸めた姿勢を取ります。

肩周辺の筋肉に持続的な緊張を強いる姿勢を長く続けると、肩甲骨が外側に引っ張られて巻き肩を引き起こしやすいです。

巻き肩を予防・改善したい場合は、スマートフォンを利用する際の姿勢にも注意しましょう。

 

背中を丸める姿勢

デスクワークやスマートフォン操作に限らず、日常的に背中を丸めるような姿勢を続けることは、巻き肩になる原因のひとつです。

たとえば、椅子に浅く腰掛けて猫背のまま長時間座る、立っているときに肩を前に突き出すような姿勢を取るなど、胸が内側に閉じて肩が前方に引っ張られる姿勢を続けていると、肩甲骨の動きが制限されて巻き肩の進行を招きます。

ソファで長時間リラックスしている、読書や家事で下を向き続けることが多い方は注意が必要です。

ただし、上記の姿勢の背景には体幹や背筋の筋力不足、日常的な運動不足も関係しており、筋肉が正しい姿勢を保てなくなることで、身体全体が前のめりになる可能性も否定できません。

 

 

巻き肩が身体に与える影響

巻き肩が身体に与える影響は、おもに以下のとおりです。

  •  肩や首がこりやすい
  •  頭痛や目が疲れやすい
  •  呼吸がしにくい
  •  姿勢が更に悪くなる

 

それぞれ、順番に解説します。

 

肩や首がこりやすい

巻き肩は、肩や首まわりの筋肉に常に負荷をかけるため、こりの原因になりやすい姿勢です。

肩が内側に入り込むと、肩甲骨の動きが制限され、首や肩の筋肉が常時緊張した状態になります。

本来、筋肉は収縮と伸長を繰り返すことで血流を保ち、柔軟性を維持するしくみです。

しかし、巻き肩では筋肉が緊張した状態が長時間続くことで血流が滞るため、酸素や栄養が十分に行き届かなくなり、こりや痛みが慢性化しやすくなります。

最初は軽微な肩こりであっても、放置すれば痛みや可動域の制限が現れ、別の不調につながるケースもあるため、早めに根本からの改善に取り組みましょう。

 

頭痛や目が疲れやすい

巻き肩によって肩や首の筋肉が緊張状態にあると周囲の血流が悪化し、慢性的な頭痛を引き起こしやすいです。

また、巻き肩姿勢が続くことで、自然と頭が前方に突き出した姿勢となり、目線が下がってピント調整を繰り返すことから眼精疲労にもつながります。

デスクワークやスマートフォンを長時間見つめる生活が日常化している場合、肩まわりの緊張と視覚疲労が同時に起こりやすく、頭痛や目の疲れが慢性化することも少なくありません。

単なる疲労だけでなく巻き肩が原因の可能性もあるため、該当する方は注意しましょう。

 

呼吸がしにくい

肩が内側に巻き込まれることで胸の筋肉が縮こまり、肋骨の動きが制限されます。胸郭が十分に広がらなくなり、自然と呼吸が浅くなる場合があります。

呼吸が浅くなると体内に取り込まれる酸素量が減少し、血液の循環が悪化する可能性が高いです。更に、全身の疲労感の増加や慢性的なコリ、頭痛、眼精疲労などを助長する悪循環に陥る場合もあります。

巻き肩を放置していると、身体全体に悪影響を及ぼすケースもあるため、早めの対処が必要です。

 

姿勢が更に悪くなる

巻き肩になると肩が前に引っ張られて重心が前方へずれるため、自然と上半身が前のめりになります。

バランスを取るために背中を丸める癖がつくと、猫背へと進行する可能性が高いです。

つまり、巻き肩と猫背は異なる姿勢の乱れですが、巻き肩を放置することで猫背を招く恐れがあります。

猫背が定着すると背骨や骨盤の配列に歪みが生じ、腰や膝、脚の筋肉や関節にも過度な負担がかかるようになるため、早めの改善が重要です。

 

 

巻き肩を改善する方法

巻き肩を改善する方法は、おもに以下のとおりです。

  •  ストレッチをおこなう
  •  日常生活での姿勢を改善する
  •  筋トレをおこなう
  •  専門的な施術を受ける

 

それぞれ、順番に解説します。

 

ストレッチをおこなう

巻き肩は、肩甲骨が背骨から外側へ開き、肩が前に巻き込まれている状態です。

歪んだ状態を改善するためには、肩甲骨を本来の位置へ引き寄せ、胸を開く動きを日常に取り入れましょう。

次のようなストレッチは器具を使わず自宅でも手軽に行えるため、巻き肩改善の第一歩として取り入れてみましょう。

 

手順
肩甲骨を引き寄せるストレッチ
  1.  背筋を伸ばして、胸を張った姿勢で立つ
  2.  両手を背中に回して、手のひらを合わせる
  3.  肩甲骨を引き寄せるように両手を上に持ち上げる
  4.  持ち上げた状態を数秒間キープする
  5.  ゆっくりと元の姿勢に戻す
  6.  上記を数回繰り返す
肩甲骨を内側に寄せるストレッチ
  1.  背筋を伸ばして、脚を肩幅に開いて立つ
  2.  両腕を肩の高さに上げて、手のひらを外側に向ける
  3.  肩を下げながら肩甲骨を内側に寄せる
  4.  ゆっくり下したところで数秒間キープする
  5.  ゆっくりと元の姿勢に戻す
  6.  上記を数回繰り返す
四つん這いでおこなう背中のストレッチ
  1.  手の平を上に向けて肘をつき、四つ這いの姿勢になる
  2.  お尻を後ろに引き、肩に体重をかける
  3.  深呼吸しながら、肩の後ろから背中の筋肉(広背筋)が伸びているところで15秒~30秒キープする

 

上記のストレッチを1日数回おこなうことで、凝り固まった筋肉が徐々にほぐれ、肩の位置も自然な形へと戻る可能性があります。無理のない範囲で継続しましょう。

 

日常生活での姿勢を改善する

巻き肩は、日常的に前かがみの姿勢を取り続けることで起こりやすくなるため、デスクワークやスマートフォンなどを利用する際の姿勢を改善しましょう。

たとえば、デスクワーク時には、椅子に深く座り、骨盤を立てるよう意識しながら背筋を伸ばすことが大切です。モニターの高さを目線と合わせ、肘の角度が約90度になるように作業環境を整えましょう。

また、1時間に1回は立ち上がって肩や背中を軽く動かすことで、筋肉の緊張を和らげることができます。

スマートフォンやタブレットを操作する際は、顔を下に向けず、目の高さに近い位置で持つよう意識しましょう。肘を身体に近づけ、脇を締めると肩が巻き込まれにくくなります。

小さな習慣の積み重ねが巻き肩を予防して姿勢全体を整える第一歩となるため、ぜひ取り組んでみましょう。

 

筋トレをおこなう

巻き肩は日常の姿勢だけでなく、筋力不足や運動不足によって正しい姿勢を維持できなくなることでも発生します。

とくに、背中側の筋肉が弱まると肩甲骨が外側に開いた状態を支えきれず、巻き肩を招く原因になります。

そのため、筋トレによって姿勢を支える筋肉を鍛えることは、巻き肩改善に効果的です。

肩甲骨を引き寄せる僧帽筋や肩関節を安定させる三角筋の後部を鍛える、次のようなトレーニングを試してみましょう。

目的 手順
バタフライ 僧帽筋を鍛える
  1.  うつ伏せになり、顎を床から放して斜め下に視線を向ける
  2.  両腕を上げて、床と並行になるまで前に伸ばす
  3.  上体を軽く起こしながら肩甲骨を寄せ、両腕を大きく動かす
仰向けプッシュアップ 三角筋の後部を鍛える
  1.  脚は閉じたまま壁に寄り掛かり、背中を密着させる
  2.  平行より、ほんの少し下になるように両腕を広げる
  3.  拳を握り、壁に押し付けるようにして背中を壁から放す
  4.  壁に戻ったら、手順3を繰り返す
Tレイズ 広背筋を鍛える
  1.  うつ伏せになり、両腕を大きく開く
  2.  上体を起こして、背中をなるべく大きくそらす
  3.  反らしきったら状態を戻して、手順2を繰り返す

 

筋トレを継続すれば、姿勢を維持する筋力が高まり、巻き肩の改善につながる可能性があります。無理のない範囲で、正しいフォームを意識しておこないましょう。

 

専門的な施術を受ける

巻き肩の改善には、日常生活での姿勢の見直しやストレッチ、筋トレなどのセルフケアが効果的な場合もありますが、根本的な改善に至らないケースも少なくありません。

巻き肩を本格的に改善したい場合や、頭痛や肩の可動域制限、腕の痺れなどの症状が出ている場合はまずは整形外科で医師の診断を受けましょう。

医師の診断結果を元に、国家資格を持った整骨院や鍼灸院での施術、理学療法士やスポーツトレーナーのストレッチやトレーニング指導を受けることをおすすめします。

 

 

まとめ

巻き肩は、長時間にわたるデスクワークやスマートフォンの操作、日常生活における悪い姿勢の積み重ねによって引き起こされます。

放置すると、肩こりや頭痛、更には呼吸が浅くなるといった身体への悪影響を及ぼす可能性が高いです。

まずはご自身の姿勢をセルフチェックし、ストレッチや筋トレ、正しい姿勢の意識、専門機関での施術など、できる範囲から改善に取り組みましょう。

 

 

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