みなさんこんにちは、千葉店店長の管理栄養士・大本です。
朝晩が涼しくなり、秋の気配を感じるようになってきましたね。夏の疲れが出やすいこの時期、食欲の秋という言葉どおり、つい食べ過ぎてしまう方も多いのではないでしょうか。
最近「タイパ(タイムパフォーマンス)」という言葉が広まり、効率よく時間を使うことが重視されるようになりました。食事もその例外ではなく、忙しい日々の中で「とにかく早く食べ終わりたい」と思う人は多いはずです。実はその早食い、健康面では大きなリスクになる可能性があります。今日は「早食いは太るもと」というテーマで、早食いのデメリットと防ぐための工夫をご紹介します。
早食いと肥満の深い関係
厚生労働省が紹介している疫学調査では、食べるスピードが速い人ほどBMI(体格指数)が高い傾向があることが分かっています。特に20歳以降での体重増加が顕著で、早食いは肥満の一因と考えられています。
理由はシンプルで、食事を始めてから脳が「お腹いっぱい」と感じるまでには約20分かかるといわれており、早食いすると満腹感が訪れる前に必要以上に食べてしまうからです
生活習慣病リスクも上昇
早食いは体重増加だけでなく、糖尿病のリスクも高めるといわれています。
食べるスピードが速いと血糖値が急上昇し、膵臓が大量のインスリンを分泌することになります。
これが繰り返されると血糖コントロールが乱れやすくなり、将来的に糖尿病を発症する可能性が高まります。
さらに、血糖値の急激な変動は食後の強い眠気の原因にもなります。午後の仕事や勉強のパフォーマンスを下げてしまうことにもつながるため、早食いを改善することは集中力維持にも効果的です。
今日からできる!早食い防止の4つの工夫
忙しい現代人にとって「食事に20分かける」のはハードルが高いかもしれません。しかし、ちょっとした工夫で自然とゆっくり食べる習慣が身につきます。
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一口ごとに箸を置く
一口食べたら箸を置く動作を入れるだけで、次の一口までの間隔が自然と長くなります。 -
一口の量を減らす
一口を小さくすると噛む回数が増え、結果的に食事時間が延びます。 -
噛む回数を意識して増やす
理想は一口30回。いきなり完璧を目指さず、まずは5回多く噛むことから始めましょう。 - 野菜を一品追加する 野菜は自然と噛む回数が多くなるため、早食い防止に最適。うどんやカレーなどの単品メニューの日は、サラダや温野菜をプラスしましょう!
まとめ:食事時間20分以上で、太りにくいからだへ
日々忙しいからこそ、健康を守るための習慣は「簡単にできること」から取り入れるのが大切です。
まずは一日のうち一食でも、食事時間を20分に伸ばすことを意識してみましょう。満腹感が得やすくなり、食べ過ぎ防止・体重管理・午後の集中力アップに役立ちます。
「早食いは太るもと」。このシンプルな言葉を頭に置き、今日からゆっくり食べる習慣を始めてみませんか?
※参考資料:厚生労働省「栄養・食生活リーフレット」