(今回のテーマは「経絡とトレーニングの関係」についてです。担当は代々木店所属、鍼灸の免許を持つトレーナー・田口が担当します。)
みなさん、鍼灸では経絡という「気の流れ」があることをご存知でしょうか?
気の流れがツボの位置で滞ることで不調が起こるという考え方です。
ん? トレーニングジムASPIのブログだよな?? と思った方もいらっしゃると思います。
今回、「コンディショニング」というテーマにおいて、
「トレーニング」と「気の流れ(経絡)」についてお話しします!
指から集めた気をビームを出すイメージして
読んでいただければと思います。(本当には出せませんが)
●「ベンチプレス」 と「手の太陰肺経」
一つ目の気の流れラインは、「手の太陰肺経」。
手の太陰肺経は、親指から肘~肩を通って胸に気が流れます。
(これを流注と言います)
肺を統括するツボをたくさん持ち、呼吸に関する疾患(咳、くしゃみ、喘息など)に効果を発揮します。
この気の流れと力の入り方が一致するのは、ベンチプレスです!
ベンチプレスのポジティブ局面(押し出す時)で、バーベルを親指から肘~肩を通って大胸筋に力を集中させます。
ベンチプレスは、大胸筋をメインに鍛える種目です。
その大胸筋の作用として「肋骨を引き上げ、呼吸の補助」をするという作用があります。
デスクワークで凝り固まった胸や腕をベンチプレスで胸を開くように大きく息を吸い込んで行うことで、肺が広がり呼吸が楽になります。
そもそも呼吸が浅くなる時、気分も憂い、悲しみが増まし、テンションが上がらない状態になります。
ぜひ、太陰肺経のラインを意識して、ベンチプレスをすることで呼吸が楽になり、胸に気が入るようトレーニングをしてみてください!テンション上がりますよ!
●「デッドリフト」 と「足の太陽膀胱経」
2つ目です!
筋肉が強張った身体に効くツボをたくさん持つ、「足の太陽膀胱経」をご紹介致します。
足の太陽膀胱経は、額から始まりぐるっと頭のてっぺんに向かい、背骨の横を通って腰、腿裏、ふくらはぎ、足底へと気が走ります。
生理学的には、背骨の横は自律神経(交感神経)が多く通り、緊張した状態が続くと全身の筋肉が強張った状態になります。膀胱経はその神経を落ちすかせ、リラックスさせる効果があります。
さてこの流注と同じく筋肉のパワーを使うトレーニングは、「デッドリフト」です。
特にスティフレッグドデッドリフトは、ハムスト(腿裏)を伸ばしつつ、背中に刺激を入れるため、しっかりとラインを使えます。
ハムストが固まっていると腰が引っ張られて上手く動かず、腰痛が起きやすくなります。また背中まで引っ張られるため、身体が硬直してしまいます。(長時間のデスクワークに見られる状態)
このトレーニングを行うことで、ハムストにストレッチをかけ、背中の反りを作って刺激を入れられます。
ただし、神経痛(坐骨神経痛など)がある場合は、軽い重量から行いましょう。より圧迫がかかってしまい悪化する場合があります。
このトレーニングで交感神経が活発になることで、副交感神経がそれを抑えるために反応します。終わってからリラックスして眠くなりますよ。強張った身体を心からほぐしましょう。
●「ワイドスクワット」 と「足の太陰脾経」
最後は、「足の太陰脾経」です。
足の太陰脾経は、足の親指から太腿内側を通り腹部、胸の外側を通って、舌へと気がつながります。
治療効果としては、消化器の働き、栄養吸収率のアップ、慢性疲労改善、婦人科系の疾患に効くとされています。
特に内くるぶしから指3本分上あたりに三陰交というツボがあり、生理不順や生理痛にも効くとされています。
この流れと一致するトレーニングは、「ワイドスクワット」になります。
足を通常の肩幅より大きく開き、つま先を45度外に向けお尻に力を入れてスクワットを行うと、足の太陰脾経と同じく内側から骨盤、腹部へと刺激が入ります。
生理学的にみますと、女性の経血の際、プロスタグランジンという物質の分泌により痛みを引き起こします。お腹周りの血流が悪い状態ですとプロスタグランジンが停滞し、痛みが強くなりますので、ワイドスクワットにより足・腹部の筋を使って血流をよくして促しましょう。
また骨盤底筋に力をいれることで男性のEDの改善も期待できます。
以上、3つのトレーニングと経絡をご紹介しましたが、筋肉を使うことで神経や内臓に刺激が入り、体調が改善される効果が期待できますので、ぜひ試してみてください!
トレーニングをする意義をみつけて楽しく続けましょう!