筋トレを毎日おこなうことは逆効果という意見もあれば、逆効果は嘘だという意見もあります。
確かに、筋肉は毎日トレーニングをおこなうと十分に回復できず、疲労がたまる可能性が高いです。
一方、トレーニングのやり方を工夫すれば、毎日筋トレをおこなっても逆効果にならず、効率良く鍛えることができます。
せっかくトレーニングしても逆効果になるのは残念なので、筋トレが筋肉に与える効果や頻度、工夫などを知っておきましょう。
この記事では、筋トレを毎日おこなうと逆効果になるのか、どのような効果を与えるのかなどを解説します。
「筋トレを毎日おこなうのは逆効果」って嘘?
「筋トレを毎日やれば効果が出る」と思われがちですが、同じ部位を毎日鍛えるのは逆効果です。
筋肉は運動後に休息と栄養をとることで修復されて成長しますが、連続で刺激を与え続けると回復できず、成長が妨げられるだけでなくケガのリスクも高まります。
一方、部位ごとに鍛える日を分ければ、全身を効率良く鍛えることが可能です。
ただし、部位ごとに必要な回復時間は異なるため、オーバーワークにならないよう調整が必要です。
筋トレが筋肉に与える効果
筋トレとは、筋肉に意図的な負荷をかけて筋力や筋量の向上を目指す運動であり、自重を使ったトレーニングやウェイトトレーニングなどが含まれます。
筋肉を構成する筋繊維の数は、基本的に生まれたときから決まっています。筋トレによって筋繊維が傷つき、回復する過程で太く強くなることで「筋肉がついた」と感じるしくみです。
つまり、筋トレは筋繊維の微細な損傷と修復、強化の繰り返しによって成り立ちます。
ただし、同じ部位に毎日負荷をかけ続けると筋繊維が十分に回復する時間を持てず、疲労が蓄積しやすくなってケガのリスクが増える可能性が高いです。
筋トレの効果が薄まるため、休息を取り入れた計画的なメニューを組み立てましょう。
筋トレの最適な頻度
WHOのガイドラインによると、健康維持や筋力向上のために週2回以上の筋トレをおこなうことが推奨されています※。
ただし、「週2回」というのはあくまで全身を対象とした最低限の目安です。
実際には、筋肉の部位ごとに回復に必要な時間が異なるため、筋トレを効率的におこないたい方は知っておきましょう。
次項より、部位ごとに最適な頻度を順番に解説します。なお、運動の強度やボリューム(扱う重量やセット数など)は、実施者の状態や目的によって変わります。
※出典:WHO「WHO 身体活動・座位行動 ガイドライン(日本語版)」
脚や背中などの大きな筋肉
脚や背中、胸、臀部などの大きな筋肉は、一度のトレーニングで多くのエネルギーを消費し、筋繊維にも大きな負荷がかかります。そのため、大きな筋肉が完全に回復するまでには、48時間~72時間程度が必要です。
トレーニング強度や個人差によっては回復までに更に時間がかかるため、大きな筋肉を毎日鍛えると逆効果になります。
筋肉の成長が妨げられ、疲労の蓄積によってフォームの乱れやケガのリスクが高まるため、毎日トレーニングするのは避けましょう。
脚や背中などの大きな筋肉を鍛える場合は、週2~3回を目安にしっかりと間隔を空けてトレーニングをおこなうのが理想的です。
腕や肩などの小さな筋肉
腕や肩のような小さな筋肉は、脚や背中などの大きな筋肉に比べて回復にかかる時間が短く、おおよそ24時間〜48時間で回復すると考えられています。
回復にかかる時間が短いため、小さな筋肉は1日おきの頻度でトレーニングすることが可能です。
ただし、小さな筋肉はほかの部位のトレーニングにも関わります。
たとえば、ベンチプレスでは胸だけでなく、肩や上腕三頭筋にも負荷がかかるため、翌日に肩や腕のトレーニングをおこなうと、オーバーワークになりかねません。
小さな筋肉の回復力を活かして高頻度で鍛えるのは有効ですが、ほかの部位との兼ね合いやトレーニングスケジュール全体を考慮しましょう。
腹筋やふくらはぎ
腹筋やふくらはぎが回復にかかる時間は、およそ24時間と比較的短めです。
理論上は毎日トレーニングしても問題ない部位とされており、ほかの筋肉より高い頻度で鍛えることができます。
しかし、回復が早いからといって無制限に追い込んでしまうと、疲労が蓄積し、筋肉痛やパフォーマンスの低下を招き、ケガの原因につながります。
毎日おこなう場合はトレーニング強度や回数を調整し、身体の反応を見ながら負荷をコントロールすることが大切です。
筋トレを毎日おこなう場合のポイント
筋トレを毎日おこないたい場合のポイントは、おもに以下のとおりです。
- スプリットルーティンを取り入れる
- 筋トレで筋肉を増やしたいなら栄養も大事
- 専門家の指導を受ける
それぞれ、順番に解説します。
スプリットルーティンを取り入れる
スプリットルーティンとは、鍛える筋肉の部位を次の表のように曜日ごとに分けてトレーニングする方法です。
Aパターン | Bパターン | Cパターン | |
---|---|---|---|
月曜日 | 上半身 | 下半身 | 胸・上腕三頭筋 |
火曜日 | 下半身 | 上半身 | 背中・上腕二頭筋 |
水曜日 | 休息 | 体幹 | 下半身・肩 |
木曜日 | 上半身 | 下半身 | 胸上腕三頭筋 |
金曜日 | 下半身 | 上半身 | 背中・上腕二頭筋 |
土曜日 | 休息 | 体幹 | 下半身・肩 |
日曜日 | 休息 | 休息 | 休息 |
同じ筋肉ばかりを毎日トレーニングすると逆効果になりますが、曜日ごとに分ければ全身をバランス良く鍛えることができます。
ただし、やみくもに分割するだけでは効果的な筋肥大やパフォーマンス向上は望めません。
筋肉の回復速度や1回の負荷量、セット数、インターバルなども考慮したうえでスケジュールを組み立てましょう。
筋トレで筋肉を増やしたいなら栄養も大事
筋トレで筋肉を増やすには、トレーニングだけでなく「栄養」の摂取も重要な要素になります。
筋肉は運動によって刺激を受け、回復と成長を繰り返すことで強く大きくなりますが、同時に材料となる栄養素が必要です。
とくに必要な栄養素がたんぱく質で、傷ついた筋繊維の修復や合成に欠かせません。
目安として、健康な成人男性で1日60g、女性で50gのたんぱく質が推奨されています。筋トレをする場合は、運動の強度にもよりますが、「体重1kgあたり1.5g」が理想とされています。
たとえば、体重60kgの方なら、90gのたんぱく質が必要です。効率良くたんぱく質を取りたい方は、次のような食材を日常的に取り入れましょう。
- 鶏胸肉
- 卵
- 豆腐や納豆
- 鮭やかつおなどの魚
- ヨーグルトや牛乳
専門家の指導を受ける
筋肉を効率的に鍛えたいと考えているなら、専門家の指導を受けることも選択肢のひとつです。
とくに、筋トレ初心者の方や、自己流で伸び悩んでいる方には、パーソナルトレーナーの存在が大きな支えになります。
パーソナルトレーナーから指導を受けるメリットは、おもに以下のとおりです。
- 目的に応じたメニューを作成してもらえる
- 食事指導を受けられる
- 正しいフォームを習得できる
- モチベーションを維持しやすい
パーソナルトレーナーは利用者の年齢や体型、運動経験、目標、目的にもとづいて、最適なトレーニングメニューを設計します。
また、専門的な知識を身につけているため、筋肉を鍛えるのに必要な栄養バランスが整った食事メニューを考えてもらい、摂取タイミングに関するアドバイスなどを受けることが可能です。
トレーニング中はマンツーマンレッスンなので、誤ったフォームをすぐに修正でき、ケガのリスクを減らせます。
更に、定期的にカウンセリングをおこない、目標に向かって順調に進んでいるかどうかチェックし、場合によってはスケジュールやメニュー内容を修正するため、モチベーションを維持しやすく、目的を達成しやすい環境です。
ひとりでのトレーニングでは見落としがちなポイントも、専門家のサポートがあれば安心できます。効率良く筋肉を鍛えたい場合は、プロの力を借りてみましょう。
まとめ
「筋トレを毎日おこなうと逆効果」という説は、一概に嘘とは断言できません。
筋肉は、トレーニングによって刺激を受けたあと、休息と栄養によって回復や成長するため、同じ部位を毎日鍛えると回復できず、かえって筋肉がつきにくい場合があります。
しかし、鍛える部位を日ごとに変える「スプリットルーティン」を活用すれば、毎日筋トレをしても全身を効率良く鍛えることが可能です。
短期間で成果を出したい方は、筋肉の回復サイクルを意識しながら、毎日のトレーニングメニューを工夫しましょう。
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